ばねの製造
(ばね製造は奈良県下ではおそらく3社しかないとのこと)
従業員数 32名
代表取締役社長 森田征樹様 生産管理課 津村真吾様
約100年前の大正時代、大阪市此花区に創業した。現社長で4代目になる。
主要顧客は家電メーカーだったが、細々とした需要にも対応していた。風呂敷にねじを包んで大阪市内に持ち運んでいたという。
第二次大戦の際、空襲で大阪の工場を焼かれてしまい、生駒市にあった社長の家を拠点とすることにした。設備の立ち上げのため2年間のブランクを経て、現在の場所で操業を開始した。
戦後は関西の家電メーカーの成長とともに事業を拡大していった。多いときは従業員数も約90名となったが、家電業界が生産拠点を海外に移すようになると森田スプリングでも国内生産を縮小せざるを得なかった。
30年前、お客様の要請もあってタイに進出。当時、家電メーカーは海外生産を開始したものの、日本のように品質が安定した対応の良い部品メーカーがなく苦労していたため、対応の良い森田スプリングに声をかけたのだという。
しかし生産立ち上げは大変な苦労だった。当時の社員数は70-80名、そのなかから3人前後のグループを3つ作り、交代で1グループはタイに駐在して製造を立ち上げた。お客様からは時にはばね以外も「やってくれへんか」とお願いされることがあり、組立なども行った。当時の社員は今でも飲み会で「あの頃は苦労した」と言う。しかし当時の顧客企業の担当者からは非常に感謝され、その担当者が日本に帰ったあとにお仕事をいただくこともあり、今の主力の仕事のいくつかに繋がっている。
家電メーカーとの取引で培った根気強い設計対応とスピード感が持ち味である。