概要

業種

道具箱・ツールボックスの製造

規模

従業員数 約40名

お話をお伺いした方

取締役マーケティング室長 唐金祐太様

総務部執行役員 市村淳二様

これまでの歩み

1887年、大阪で創業。当初は木製の手鏡などを製造していた。工具箱の製造は100年以上続けており、2代目が木製工具箱の製造を開始したのが始まり。約60年前より鉄製の工具箱も製造を開始、いずれも国内トップシェアだった。

約30年前、アメリカにてプラスチック製の工具箱が発売されたとの話を聞く。調べるとアメリカには、リングスターのような工具箱専業メーカーはなく、総合工具メーカーが1部品として工具箱を作っているらしい。これまで蓄積したノウハウを活かし、日本でもプラスチック製の工具箱を製造できるのではと考え、開発が始まった。

プラスチックではなかなか金属ほどの強度が出ず、強度を高めようとすると製造がうまくいかない。試行錯誤を繰り返し、ようやく日本初のプラスチック製工具箱が完成した。以降、広く愛用いただいている。

2019年よりアウトドア用ボックスも製造開始。また万博の買い物かごへの採用も決まっている。

強み

プロが当たり前に仕事できる安心感

持ち運びしていても中で道具がごちゃごちゃにならないし、箱が壊れることもない。職人さんや釣り師さんは、道具を取り出すときに1分1秒を争うことがあるが、中の仕切り板一つ外れてしまうと、そこで貴重な機会を失うことになりかねない。プロが当たり前に仕事をこなすことをサポートできる道具箱である。

大切にしていること

文化をつくる、なかった市場をつくる

道具かごを開発した先代は、職人の動きをよく観察していた。ときには職人の車のあとをつけ、道具の出し入れの様子を眺めた。そのとき気づいたのが、スーパーの買い物かごを持ち帰って使う職人がいたことだ。後ろめたいのか、スーパーの店名部分をガムテープで隠す職人もいる。網部が壊れたかごを使う職人もいる。これを見て、道具入れのかごのニーズがあると確信し、壊れないかごを作ろうと決意した。「持ち帰って使っているなら売れるはずがない」という反対もあったが、販売してみたところヒットした。

他社が先に市場に出しているもの、売れているものを安易にマネするのは覚悟がないと思う。二番煎じはどうしてもユーザー視点でない。出回っていないもの、文化を作っていくことを、これからも取り組んでいきたい。